2009年、「スタイルのあるモノ語り」では、
多くの北海道の作り手の方々にお会いでき、
実り多い年だった。
北海道と言えば、食や観光ばかりが注目されるが、
こつこつと、北海道ならではのものづくりをしている
たくさんの作り手がいることを、
これからも紹介していきたい。
それはきっと、
北の地でなければ生み出されないものに違いないから。
いわゆる日本的伝統とは異なったバックグラウンドから、作られるもの。
その面白さは、ほかにはない。
今年1年、ありがとうございました。
そして新しい年に、また走り出します。

次号登場の苧坂恒治さんのギャラリーにて。器にうずまきの宇宙が広がる
10月31日、北海道大学の植物園で一般公開された、擦文時代の遺跡を見学した。
北海道では縄文時代のあと、弥生、そして古墳・・・
というふうな文化には、ならなかった。
続縄文、擦文(オホーツク文化もあった)と続き、アイヌ文化へと至る。
そのうち擦文時代の竪穴住居址(本州では奈良~平安時代)が
北海道大学の植物園で発掘されている。
発掘現場は植物園正門の北側にあたり、道沿いにあるのでけっこう目立つ。
普段は柵の外側から発掘作業を眺めるだけだが、
その日は特別に中に入り、間近で見ることができた。
しかも北大埋蔵文化財調査室員の解説つきで、ちょっとお得な気分。
この時代の竪穴住居址は、住居部分(リビングみたいなもの?)が、
角ばった形をしている。そしてカマドがついているのが特徴。
キッチンがちゃんと設置されているところがなかなか機能的だ。

かまどにはちゃんと煙の噴出し口も作られているという
この日は「北海道大学人類遺跡トレイルウォーク」という
イベントが行われていて、参加者は北大構内の遺跡も巡っていた。
ひとりで遺跡めぐりも楽しいと思うが、専門家の話を聞いて眺めると
遺跡がまったく違った表情を見せ始め、新しい世界が広がる。
自分の足元のこと、本当はよく知らなかったんだ。
最近のことを知っているだけで、北海道のこと、知っているといえるだろうか。

本当は、横にはもっと白鳥がいる
10月1日にオープンしたという、道の駅「ウトナイ湖」に行った。
湖のある苫小牧市は、私の故郷でもあり。
道の駅の目の前がすぐ湖になっていて、もうたくさんの白鳥がやってきていた。
白鳥は人懐っこく近づいてくる(エサ目当てだけど)。
自分が子どものころは、冬になると岸辺はガチガチに凍っていたが、
今はどうだろうか。
市街地に近いところで(すぐ横は車がびゅんびゅん走る室蘭街道)、
野鳥を間近に見られるところは、他になかなかないと思う。
地味な湖だが、穴場スポット。
今回はカメラを持っていなかったので(不覚にも)、ケータイで撮ってしまいました。
北海道の道の駅については、
こちらをどうぞ。
ハッピーハロウィ〜ン
今年の春、夫婦そろって十勝へと旅立った元アシスタントのE君より届きました。
弊社「フレメン写真製作所」の浮き文字カボチャです。
この夏、彼が自分で育てたカボチャです。
すごいな〜。
こんなの作れる様になったんだ。
移住後3ヶ月ほど経ったころ
帯広取材の帰りにちらりと職場のSHOPに寄ってみたら
ちょうど離れた畑で小麦の刈り入れ最中だったのを中断して来てくれました。
久しぶりに見たヤツの顔を見てびっくり。
日に焼けて、肉も締まり、なにより顔付がすっかり大人に変わっていた。
思わず「いや〜っ!・・・オッサンになったね〜!!」と口から出てしまうほどに。
本人は全力でイヤがってましたが、ほんとにまぁ。
たかが3ヶ月、されど。
自信に満ちたその顔を見た時、
「アシスタントというのは『職業』では無い」と、ある写真家の言葉を思い出した。
「その職業に就くための修業期間、過程を表す『状況』である」とかなんとか。
なるほどな〜・・・と。 前はひたすら柔和な顔だったもんな〜。
自分の手から生み出すモノが製品になるという喜びを知ったE君は、何とも良い面構えに変身しました。
あのままカメアシを続けていても、きっとあんな精悍な顔付にはならなかっただろう。
新天地でも、まだまだ修行の身なのでしょうが
時折届くメールには、勉強中の仕事の事、作物の事、食べ物、天気、奥さんの事、
そして、先日生まれたばかりの息子の事が書かれており、日々を充実して暮らしている様子に一安心。
愛息くんの名前には「崇」という文字が入っているのですが
この字は『高く大きな山』という意味を持つ、との事。
目の前に広がる山々にちなんだ名前が付きました。
メールを見た時に、
十勝に旅立ったのは本当に良い選択だったんだな…と実感しました。
農業、酪農、製品加工まで全て自分たちで行う、わりと有名な仕事場なので
いつか「カイ」で取り上げる日がくるかもしれませんね。
9月半ばの霧多布湿原へ。
昆布漁の舟で向かうは、めったに人が足を踏み入れないという場所だ。
案内してくれたのは、地元の漁師・杉澤好紀さん。
霧多布湿原のすぐそばで生まれ育った。
木工作家でもあり、おもにおもちゃを製作している。
どこかユーモアを感じる作品に、杉澤さんの人柄がにじみ出る。
そしてこの湿原と海がなければ、生まれ得ない作品たちだ。
湿原で見られるヤチボウズの「やちっこ」たち、発見!
ワタスゲを手に、湿原をかわいく冒険していますよ。
この場所では、巨大なコケの塊が見られる。
コケのテーブルの上には、さまざまな種類のコケと植物が生育している。
この塊を地元では「ボウズ」と呼んでいるのだとか。

ガンコウランの実
「湿原には、においがある」と杉澤さんは言う。
それは、夏ごろにいちばん強くなる。
イソツツジという植物から、ハーブのようなさわやかな甘い香りが立ち上り、
このあたりはそのにおいでいっぱいになるそうだ。
9月半ばはちょっと遅かった。
でもイソツツジの葉裏に鼻を近づけると、
カモミールみたいなすごくよいにおいがした。
海のオトコですな。