事業報告+交流会のご報告

2015年3月25日(水)、nORBESA1階、「MIRAI.ST cafe」の一角をお借りして行った「〼〼商店2014年度 事業報告会+交流会」。小さめの会場でしたが、その分、内容のぎゅっと詰まった会になりました!

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関係者を中心に30名超の方がご参加。

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冒頭に、札幌市の障がい保健福祉部 企画調整担当課長・中村さんからご挨拶をいただきました。

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続いて、各プロジェクトの進捗についてクリエイターさん、障がい者施設さんからのご報告と会場との意見交換を行いました。


 Prj02-野菜パンのお店。~ひかり工房+若林秀典建築設計事務所

ひかり工房の小畑さん(左)と、若林秀典建築設計事務所・若林さん(右)。若林さんはわざわざ大阪から来てくださいました!

ひかり工房の小畑さん(左)と、若林秀典建築設計事務所・若林さん(右)。若林さんはわざわざ大阪から来てくださいました!

小畑さん、若林さんからは進捗報告として、新店舗デザイン案(受賞作)のコンセプト、「昨日、大通周辺の新店舗候補地を見に行ったこと」「新店舗で販売する『野菜パン』のレシピとして、すでに100を超えるものを考案済みであること」「地下街オーロラタウンにある『きたキッチン』でテスト販売をさせていただく予定であること」などが報告されました。

■会場からの意見

  • 候補地の1つが創成川の東ということでしたが、ここは戦前、職人さんばかりの地域だったそうです。現在、少しずつマンションになりつつありますが、200万都市の都心に近い割には低層の建物がひしめいている面白いところです。そういうまちの雰囲気を作ってきたのが工房や工場ですが、パンを作る拠点をここに置くということになれば、よく馴染むのではないかと思います。そこから創成川を渡って都心に売りに攻めていくようなコンセプトを持てるので、立地としてはとても良いと思いました。(福井氏、デザインコンペ審査員)
  • 候補として駅前通というお話もありましたが、駅前通にはテラスもあって、夏は外でお茶を飲みながらということもできるので、立地条件としてはとても良いなと思いました。(岩森氏、審査員)
  • 「きたキッチン」でのテスト販売は「ブランド化を視野に入れ、現在は190円だけど、230円ではどうだろうか?」など、お客様に受け入れられる価格帯を探る意味で行っていただければと思います。((株)北海道百科・相沢氏、審査員)
  • 私は二条市場の近辺に住んでいるのですが、周りにパン屋さんがないのでぜひ出店いただけたらと思います。また、現在の消費者は、いろいろな情報を見て、それが本当に良いものだったら少し遠くても買いに行きます。また、その情報はシェアされてどんどん広がっていきますので、そういった意味で創成川東も良いのではと思いました。(大島氏、審査員)
  • 野菜パンは商品の持っている力が強いですね。先ほどブランディングの話がありましたが、商品にメッセージがないものに無理やりストーリーをくっつけて…というブランディングもあります。しかし、野菜パンは十分に商品が主役になれると思います。商品が主役となるディスプレイ、ストーリー付け、ネーミングをしていけると思います。そうしたときに「190円」はないだろうと思いました。高くすれば良いわけではありませんが、280円から400円くらいでも良いのではないでしょうか。もちろん、客層なども考えなければなりませんが。(吉田氏、審査員)
事務局スタッフイチ押しの長芋パン。食感がとても良いです!(画像クリックで拡大)

事務局スタッフイチ押しの長芋パン。食感がとても良いです!(画像クリックで拡大)

 


 Prj04-木のアクセサリー。~札幌クローバー会+札幌チャレンジド

札幌チャレンジド・岡野さん(左)と札幌クローバー会・菊地さん(右)。残念ながらデザインチームのリーダーである佐藤さんはご欠席

札幌チャレンジド・岡野さん(左)と札幌クローバー会・菊地さん(右)。残念ながらデザインチームのリーダーである佐藤さんはご欠席

岡野さんは「木工の素人ゆえの知らない強みが、自由なデザインの提案に結びついたのではないか」ということと、それを形にされた札幌クローバー会さんへの賞賛をおっしゃいました。菊地さんからは「通常、木工では2mmくらいの誤差は許容範囲だけれど、今回のアクセサリーは1mm単位で合わせなければならなかった」との苦労話などが聞かれました。

■会場からの意見

  • 先ほど拝見し、とても精巧で滑らかに作られていて、本当に素晴らしいと思いました。価格を「5,000円から10,000円」とおっしゃいましたが、それだと「安い!」と思う人もいると思います。ただ、そういった価格をつけるのであれば、デザインや製作などの裏にあるストーリーをうまく伝えられるかが鍵になってくると思います。(大島氏、審査員)
  • 3月16日のグループセッションに参加したのですが、そのときよもり展示の仕方がすごく良くなっていて、とても目を引くし、手にとってみたくなると思いました。本当に「海の宝石」という感じが出てとても良いと思いました。(松田さん、札幌市立大学生)
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本当に宝石のようです!(画像クリックで拡大)

 


 Prj03-磨かれた取っ手。~ウッディートイズ+長谷川 聡氏

長谷川さんからは、「当初のテトラのデザインは3本の足の長さが均等だったが、米津さんの試行錯誤の結果、1本の足が長いものなど、さまざまな形状のものができた」「日本ではドアノブ単体で販売することは少なく、基本的にはドア金具も含めて製品となるので、製品化にはハードルがある。今後、ドアノブに加えて、他の派生製品についても平行して取り組んでいきたい」というお話がありました。それを受けて、米津さんから「施設にある工具ではテトラ型に仕上げるのは本当に難しかった。ドア金具との取り付け方についても悩み、試行錯誤の連続だった。ただ、この取り組みの副産物として、テトラの形を活かしたペットボトルキャップオープナーを考案することができた」とのお話がありました。

■会場からの意見

  • 私はリウマチでペットボトルを開けられないのですが、先ほどのペットボトルキャップオープナーはキーホルダーとして、バッグなどにつけて、見せる形で持ち歩きたいと思いました。(一般参加者)
  • テトラポッドというのは工業製品の象徴みたいなところがあります。長谷川先生の発想の原点はそこだと思いますが、今日持参された試作品を見て、これは工業製品ではなくて生物的な感じで、それがとても魅力だと思ったのです。こういった路線で作っていっていただければとても良いものになると思いました。また、建築家・白井晟一(故人)の作品で、ドアノブが建具の真ん中にあるものがあります。機構のディテールは忘れたのですが、それほどお金がかかるものではなかったと思います。そういう金物と合わせられればより良いのではないでしょうか。(福井氏、審査員)
  • 米津さんは本当にいろいろな製品を作られているのですが、その中にマッサージのツボ押しもあります。そういったものにもできるのではないでしょうか。また、取っ手を寄せ木で作ると強度も高くなると思いますが、そういった工夫もあるのではないでしょうか。取っ手の製品化にはメーカー側との相談が必要だと思います。もう少し頑張ってください。(金澤氏、審査員)
テトラハンドル試作品の数々。お試し用の小さなドアも米津さんの苦心作です(画像クリックで拡大)

テトラハンドル試作品の数々。お試し用の小さなドアも米津さんの苦心作です(画像クリックで拡大)


以降は「ひかり工房」さんが新店舗で販売される予定の「野菜パン」とドリンクを食べ飲みしながら、試作品を囲んで意見交換。商品づくりや売り方について、さらに突っ込んだ意見交換がされたようです。

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