江別市旧町村農場

■概要・見所
 1928(昭和3)年、対雁(現いずみ野)に故町村敬貴氏によって開かれた町村農場の篠津地区への移転が決定したことを契機に、市街地に残る数少ない貴重な歴史的建造物であり、市を代表する牧歌的な景観であるこの農場を市民共有の財産として保存し、次世代へ継承するため、創建当初に近い姿に復元・整備し、1996(平成8)年10月15日に開設しました。
 敷地面積は11318.96u、第1牛舎、旧町村邸、製酪室の3棟の建物に数々の展示品を備え、市民の学習の場として提供しています。
 平成19年11月に経済産業省より「近代化産業遺産」として認定されました。

【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】
◆町村農場第一牛舎など(3件)
 農場創設者の町村敬貴は1917(大正6)年、石狩町樽川村にあった父金弥の所有地に牧場を開設するものの、条件が悪く、1928(昭和3)年現在地に移転しました。牛舎と住宅は解体して木材を馬車で運び、サイロの石材は石狩川を船で運んだといいます。移転にあたり牛舎、住宅、製酪室、れんが造サイロなどが新築され、これが現存施設にあたります。1992(平成4)年町村農場は篠津へ移転。江別市が建物を含む敷地を取得し、補修・改修工事を経て、「旧町村農場」として一般公開しています。
[建設年]1929(昭和4)年頃[構造]木造平家

【産業遺産/北海道産業考古学会・山田隆大】
◆町村農場及び酪農機械群
(機械)北海道の酪農業は、札幌農学校教師の米国大農法の失敗を受けて、大正時代にデンマークから酪農混合農法時代に導入された。札幌農学校1期生の町村金弥と長男敬貴はアメリカの酪農法を導入し、江別市の現在地に初代の町村農場を建てた。2代目は江別市郊外に新設され、新鮮な牛乳供給とバイオマス最新技術の見学農場として人気がある。初代農場牛舎サイロ住居建物は、酪農機械と町村家展示の博物館となり、北海道酪農史が示される。
江別市旧町村農場の写真

●所在地〒067-0034 江別市いずみ野25
●連絡・問合せ先 ・TEL:011-383-7734  ・E-mail:shogaigakushu@city.ebetsu.lg.jp
・URL:http://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/
●施設の構成・旧町村邸
[1階]応接室、テーマ別展示室、ラウンジ、研修室
・第1牛舎 
[1階]独立牛房、対尻式牛房、子牛牛房搾乳室、飼育室
[2階]乾し草置場、飼料室、水槽 
・製酪室
[1階]展示室
※第1牛舎2階は閉鎖中です。
●展示品・収蔵品・旧町村邸/応接室(再現)、パネル、実物資料
・第1牛舎/一部牛房を現状保存、農機具等の実物
・製酪室/当時のバターづくり道具
●営業・開催・見学情報 [開館・公開時期]4月29日〜11月23日
[開館・公開日時]10:00〜17:00
[休館日]期間中無休
[その他休館時期]11月24日〜翌4月28日
[備考]冬期休館
●料金 無料
●見学の所要時間 約40分
●施設案内ガイド 見学予定日の2週間前までに江別市商工振興課または生涯学習課へお申込みいただき、調整のうえ江別市観光ボランティアガイドにより対応します。
●バリアフリー対応 あり/一部スロープ、車椅子用トイレ
●自動車アクセス ・JR函館本線「江別駅」より約5分
・道央自動車道江別西ICより約5分
●公共交通アクセス ・中央バス「江別駅前」→(高砂線または江別4番通線・約7分)→「江別第3中学校前」停留所下車
・夕鉄バス「江別駅前」→(江別線・約7分)→「いずみ野小学校前」停留所下車
●駐車場あり/無料(大型3台、一般20台)
●備考 [写真出典]江別市教育委員会